「緑のカーテン」の冷却方程式 y=0.53x+12.44/気温上昇をほぼ半減

今朝の「緑のカーテン」です。上部と中央部に「空白地帯」がありますが、徐々に埋まっています。
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さて、計測が10回に達したので、蓄積したデータの分析を始めることにします。 
まず知りたいのは、「緑のカーテン」の冷却効果を定量的に把握することです。
昨日のブログでは平均値で3.82度の気温低下と記しましたが、それじゃあ小学校の夏の宿題レベルなので、もう少し高度なことが言えないかと思います。 
 下の散布図は、日々計測される「緑のカーテン」外の最高気温を横軸に、「緑のカーテン」内の最高気温を縦軸に落とし込んだものです。
一日が一つの「点」で表されますから、ちょうど10個の点が見て取れます。 
<散布図1>
散布図1.jpg
さて、この10個の点は、全体として右肩上がりのトレンドを描いています。これは、「緑のカーテン」外の気温が高(低)ければ、「緑のカーテン」内の気温も高(低)いという関係を示しています。
「そりゃ、当たり前」と思われるかも知れませんが、よく見ると、「緑のカーテン」外の気温よりも、「緑のカーテン」内の気温のほうが、ゆっくり上がっています。、「カーテン」外の気温が1度上がったとしても、「カーテン」内の気温の上がりかたは1度よりも小さい、という関係が読み取れるはずです。
その証拠を示します。
<散布図2>
散布図2.jpg
この散布図には、10個の点が示すトレンドをもっともうまくシミュレートする直線をひいてあります。仮にカーテン外の気温が1度上がるとカーテン内の気温も1度上がるのであれば、この直線の傾きは右肩上がり45度になるはずですが、実際にはそれよりも低い角度になっています。
脇に、この直線が示す数式を示してあります。この数式こそ、「緑のカーテン」効果の方程式です。
 「『緑のカーテン』内の気温(y)」=0.53×「『緑のカーテン』外の気温(x)」+12.44 
大事なのは、傾きを示す「0.53」という数字です。これは、「緑のカーテン」外の気温が1度上昇しても、「緑のカーテン」内の温度は0.53度しか上昇しないことを示しています。つまり、「緑のカーテン」は気温上昇の影響をほぼ半減してくれるのです。
 ついでに、R²=0.78という数字ですが、これは10個の点とシミュレーション直線の関係を示しています。10個の点が完全に直線上にある場合は1になり、直線とまったく関係なくばらばらに散らばっていれば0になります。0.78という数値は、「カーテン内外の最高気温の関係は、8割方はこの直線で説明できる」という意味となります。と思います。 (理系の専門家の方、違っていたら指摘してください)
さて、この方程式で、毎日計っているカーテン内外の温度差はどう表されるでしょう。 先ほどの式から、以下の式が導き出されます。
温度差(x-y)=x-(0.53x+12.44)=0.47xー12.44
温度差はx(カーテン外の最高気温)が1度大きくなるごとに、0.47度大きくなることが示されています。気温が高い日のほうが、温度差が大きくなることがこの式から裏付けられます。 
また、この式にカーテン外の気温を代入すれば、温度差が推計できます。
例えば、カーテン外の気温が30度とすれば、0.47×30-12.44=1.66度となり、カーテン内はおおよそ1.7度は下がると予測できます。カーテン外の気温が40度とすれば、同様の計算でカーテン内は6.4度ほど下がると予測できます。
今後の研究を通じて、この方程式を精緻にしたいと思います。とりあえず「暫定方程式」と名付けておきます。

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