”ピークカット”が効果の本質?/節電ツールにぴったりか/室内計測の分析スタート

このブログでは、「緑のカーテン」の外側と内側のデータを6月29日から取っています。それだけでは、居住環境への影響はわからないだろうということで、室内についても、7月8日から観測をしています。このあたりの事情は、8、9日のブログに書きました。

室内についてのデータもそこそこ蓄積されたので、分析にとりかかりたいと思います。

まずは次のグラフから

緑のカーテンのピーク緩和効果.jpg
これは、室内の計測を始めた7月8日以降のデータを「X軸=最高気温を記録した時間」、「Y軸=最高気温」の組み合わせでプロットした散布図です。凡例は以下の通り。

1)青い四角=「緑のカーテン」の外側
2)赤い菱形=「緑のカーテン」の内側
3)黄色い逆三角=室内窓際のサッシ
4)青の三角=室内

グラフを眺めると、計測地点によって特徴が違うのがはっきりわかります。

<時間帯(=X軸) 室内外の時間帯は重ならない>

「カーテン外」のデータは日照が強い時間帯を中心に13時44分〜16時9分の幅に位置しています。「カーテン」内のデータは、7月8日の11時台を除けば、14時41分〜16時10分の間にあり、「カーテン外」の範囲よりいくらか狭いレンジにある傾向のように見て取れます。

次に室内の2地点です。最高気温を記録した時間帯が明らかに「カーテン」内外とは違います。
「サッシ」の分布の範囲は、7月8日を除けば、16時24分〜17時5分の約30分の間に集中しています。「室内」も7月8日を除けば、16時27分〜17時21分の1時間弱の範囲に収まっています。

つまり、特異日を除いては、室外と室内では最高気温を記録する時間帯がくっきりとわかれ、重なり合っていません。

<最高気温(Y軸) 「カーテン」内と室内の温度帯はほぼ一致>

「カーテン」内と「室内」の最高気温帯はほぼ一致しています。「カーテン」外の最高気温帯は2層にわかれていますが、このうち、低い気温層は「サッシ」の気温帯とほぼ一致しています。
緑のカーテンのピーク緩和効果.jpg
「サッシ」の温度が室内より高い理由ははっきりしています。「サッシ」の計測センサは室内側からサッシのガラス上に吸盤で貼り付けてあります。「緑のカーテン」で和らいでいるとはいえ、夕方になると直射日光が差し込んできます。その影響で室内よりは高くなるわけです。

<サジェスチョン 気温と時間のピークカット>

「緑のカーテン」の機能として、気温を和らげるというのはよく知られていますが、今回の分析では、むしろ、「最高気温になる時間帯がズレる」効果に注目したいと思います。ズレ方がかなり大きいので、室内の最高気温のピークは、特異日を除いてほぼ16時半以降に来ています。

実験結果は、「緑のカーテン」によって、電力需要がピークを迎える時間帯である13時〜16時を回避できる可能性があることを示唆しています。気温だけでなく、時間帯も「ピークカット」するのが効果の本質なのかも知れません。

ただ、時間がズレるのが本当に「緑のカーテン」の効果なのかどうかは確認できていません。本当は、カーテンがある部屋とない部屋を、その他の条件を揃えた上で比較しないといけないのでしょうが、とてもそこまではできません。個人実験の限界ですね。

もう少しデータが集まれば、しっかりしたことがいえるかも知れません。実験を続けたいと思います。





コメント

タイトルとURLをコピーしました