前回に続いて、「緑のカーテンの効果」として採用できる計測結果の範囲を考えたいと思います。
まずは、グラフから、
「緑のカーテン」が猛暑のピークを”遅らせる”効果のグラフ

このグラフは、観測期間(前回のブログに書いた理由で、8月24日以降のデータは切り捨てています)に観測された「カーテン」内の最高気温の記録時刻から、同じ日の「カーテン」外の最高気温の記録時刻を引いたグラフです。
わかりやすくいえば、タイトル通り、「その日の最高気温の時間を緑のカーテンが何分遅らせることができたか」を示しています。X軸は日付です。Y軸は時間差で、プラスであれば、「カーテン」内で最高気温を記録した時刻が「カーテン」外で最高気温を記録した時刻より遅かったことを意味しています。
グラフを見て分かる通り、ほとんどの日で数字はプラスの領域にあります。そのうちの多くは、わずかなプラスです。マイナスの領域に入っているの日は少ないうえにマイナス幅も大きく、かなり異例の事態だということがわかります。
このグラフに基づき、時間差ごとの頻度を示したのが次の表です。
内外時間差の大きさ別、出現頻度(hh:mm:ss)
-02:30:00 |
1 |
-02:25:00 |
0 |
-02:20:00 |
0 |
-02:15:00 |
1 |
-02:10:00 |
0 |
-02:05:00 |
0 |
-02:00:00 |
0 |
-01:55:00 |
0 |
-01:50:00 |
0 |
-01:45:00 |
0 |
-01:40:00 |
0 |
-01:35:00 |
0 |
-01:30:00 |
0 |
-01:25:00 |
0 |
-01:20:00 |
0 |
-01:15:00 |
0 |
-01:10:00 |
0 |
-01:05:00 |
0 |
-01:00:00 |
1 |
-00:55:00 |
0 |
-00:50:00 |
0 |
-00:45:00 |
2 |
-00:40:00 |
0 |
-00:35:00 |
0 |
-00:30:00 |
0 |
-00:25:00 |
0 |
-00:20:00 |
0 |
-00:15:00 |
0 |
-00:10:00 |
0 |
-00:05:00 |
1 |
00:00:00 |
7 |
00:05:00 |
14 |
00:10:00 |
4 |
00:15:00 |
4 |
00:20:00 |
1 |
00:25:00 |
0 |
00:30:00 |
1 |
00:35:00 |
2 |
00:40:00 |
1 |
00:45:00 |
1 |
00:50:00 |
1 |
00:55:00 |
2 |
01:00:00 |
1 |
01:05:00 |
0 |
01:10:00 |
1 |
01:15:00 |
0 |
01:20:00 |
0 |
01:25:00 |
0 |
01:30:00 |
0 |
01:35:00 |
1 |
01:40:00 |
0 |
01:45:00 |
1 |
01:50:00 |
0 |
01:55:00 |
0 |
02:00:00 |
0 |
02:05:00 |
1 |
02:10:00 |
0 |
02:15:00 |
1 |
02:20:00 |
0 |
02:25:00 |
0 |
02:30:00 |
0 |
02:35:00 |
0 |
02:40:00 |
0 |
02:45:00 |
0 |
02:50:00 |
0 |
02:55:00 |
1 |
03:00:00 |
1 |
直感しにくいので、グラフにします。いわゆるヒストグラムというやつです。

グラフ中央の垂直な直線が、時間差なしの線です。そこから右にあれば、「カーテン」内のピークが「カーテン」外のそれよりも遅れたことを意味しています。
さて、「緑のカーテンの効果」として取り扱える範囲はどの辺りでしょうか。できるだけ理詰めに考えたいと思います。
まずは直線の左側=マイナス側です。こちらの領域は、「カーテン」内が「カーテン」外よりも早く最高気温に達したケースですから、「屋外の温度が上がって、それが徐々に屋内にも影響する」という道筋からは、そもそも逸脱しています。ヒストグラムを見ても、ゼロ〜マイナス5分はかなりの頻度で出現していますが、マイナス5分〜マイナス10分は1回しかなく、次はそこからはかなり飛んで、マイナス45〜マイナス50分のところで2回です。
「緑のカーテンの効果」という以上は、「カーテン」外のピークに先んじて最高気温に達したケースはよほどの理由がない限り、除外したいところです。そこで、マイナス5分〜マイナス10分のところまでを、計測範囲としたいと思います。除外数は5つになります。
直線の右側の領域=プラス側は、より難しい判断になります。
直感でいえば、 2時間も時間差があるケースを「緑のカーテンの効果」とは呼べないだろうと思います。では、1時間半なら、1時間なら、と突き詰めて行くと、どこで切るべきかの線引きはすぱっと行きません。
そこで、ヒストグラムの形から大胆に決めちゃいます。
ヒストグラムを見ると、1:10:00以降にしばらく、出現しないエリアがあります。ここの右側を除外します。除外数は6つです。(1時間半を超える時間差が除外対象となります)
ここは本当に単なる勘ですので、厳密性に欠けます。素人観測の悲しさです。
次回以降は、確定した計測範囲のもとで、改めてデータの整理を行いたいと思います。


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